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【名句068】老子より | |
【意】 | 戦いにより敵味方の双方に多くの犠牲者が出たことを悲しみ、戦勝の儀式でも葬儀のようにすべきである。 |
【解】 |
老子思想の一つである「不争の精神」が流れ、味わえば味わうほど奥深い言葉です。このレベルの名言の幾つかを座右の銘にして生きていけば、勝ち負けや損得の世界では養えない豊かな品性が身に付くはずです。 しかし現実の日常生活では、避けて通れない弱肉強食の一面もあります。受験競争・販売競争・企業間戦争から国家間の武力戦争もあります。部外者は往々にして勝ち方負け方を論評し批判をしますが、当事者であれば三流の勝ち方であっても一流の負け方より遥かに幸せです。だから戦いが長引くほどに互いに勝つための手段を選ばなくなり、悲惨な戦いになってしまいます。 勝利に酔う国民大衆は一種の狂気集団ですから、戦いの祝勝式を葬儀のようにと説く平和主義者は国賊と見えます。しかし将来の国のあるべき姿を予想できている人々はこの人達です。敵味方を問わず犠牲者の悲しみを忘れた戦勝儀式では、次なる戦いに繋がってしまう恐れが多いのです。 「周りを慮って謙虚に喜ぶ姿勢を品性という」(巌海) |
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