100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句067】貞観政要より
およそ大事はみな小事より起こる。
【意】 大きな事(失敗)はすべて小さな事(失敗)を見逃していることより起こる。
【解】  理屈では掲句の通りですが、小さな失敗をその都度厳しく注意をして、些細なことも上司に報告させればよいのでしょうか。この手の言葉に接すると急に叱り方が厳しくなり、些細な報告も文書でと妙に張り切る上司がいます。しかし注意も報告もかなりの労力を要しますから、上司の思い付きや一時の張り切りだけでは長続きはしません。
 平均的な組織であれば、最低条件の執務規則上の遵守は可能でしょう。大切なのは職場の各人の心意気です。構成員の心意気が下落すると職場全体の士気にたちまち影響します。心意気こそ、一見見逃しがちな大事に繋がる小事なのです。
 下落しているかどうかは、朝の様子(出社時間、挨拶、掃除)、仕事の姿勢(整理整頓、時間厳守)、社員の言動(スタイル、言葉遣い)などでおよその判断ができます。
「その人の心意気は、仕事の際を見れば判る」(巌海)


【名句068】老子より
人を殺すこと衆き、哀悲を以て之に泣き、戦勝は葬礼を以て之に慮る。
【意】 戦いにより敵味方の双方に多くの犠牲者が出たことを悲しみ、戦勝の儀式でも葬儀のようにすべきである。
【解】  老子思想の一つである「不争の精神」が流れ、味わえば味わうほど奥深い言葉です。このレベルの名言の幾つかを座右の銘にして生きていけば、勝ち負けや損得の世界では養えない豊かな品性が身に付くはずです。
 しかし現実の日常生活では、避けて通れない弱肉強食の一面もあります。受験競争・販売競争・企業間戦争から国家間の武力戦争もあります。部外者は往々にして勝ち方負け方を論評し批判をしますが、当事者であれば三流の勝ち方であっても一流の負け方より遥かに幸せです。だから戦いが長引くほどに互いに勝つための手段を選ばなくなり、悲惨な戦いになってしまいます。
 勝利に酔う国民大衆は一種の狂気集団ですから、戦いの祝勝式を葬儀のようにと説く平和主義者は国賊と見えます。しかし将来の国のあるべき姿を予想できている人々はこの人達です。敵味方を問わず犠牲者の悲しみを忘れた戦勝儀式では、次なる戦いに繋がってしまう恐れが多いのです。
「周りを慮って謙虚に喜ぶ姿勢を品性という」(巌海)


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