100万人の心の緑化作戦
contents活動内容名句名言出版物お問合せ・参加申込
名言紹介


【名句157】論語より
博く学びて、篤く志し、切に問いて近くに思う。
【意】 幅広く学んで、その志を強固にし、切実な問題として日常生活の中で実行する。
【解】  学んだ者が学んだだけ幸せになる学び方、学んだ者が多い社会は学んだ者が多いだけ、より幸せな社会になる学び方をしなければなりません。これが学問の効用です。掲句の「近くに思う」をなおざりにすると、学問と生活とが遊離し、学びの成果が幸せに結び付きません。
 一般的に学問の実践力を、知識・見識・胆識の三段階としますが、更に徳識を加えたいものです。知識は大脳皮質に記憶として焼き付けるだけのもの、見識は多くの知識の中から選択眼による判断意見を持てる段階をいいます。胆識は見識に勇気ある実行力が加わった段階をいいますが、強制力を伴うことから反発を生み、独裁者などの例のように一時的に成果が出ても持続しない場合も多いです。徳識は自然に人々が協力して物事が成就してしまう段階をいいます。「徳弧ならず、必ず隣あり」(論語)というように、その人の徳望に共鳴した人々が喜んで集り実践するから、成果も持続します。
「徳学とは、自他の幸せを念じてする学問なり」(巌海)


【名句158】宋名臣言行録 より
声色の人を移すことかくのごとし。
【意】 音楽や女性(この時代では遊興の意)が、人を堕落させるとは、このようなことである。
【解】  真面目な宰相王旦が、晩年になって帝真宗から妾を与えられました。以来生活が堕落し体力もみるみる衰え、数年後に亡くなったのです。漢書に「一たび顧みれば人の城を傾け、再び顧みれば人の国を傾く」とあります。古来からどれだけの男が女色におぼれ、城を傾け国を傾けてきたのでしょうか。
 現代の思想家魯迅も「中国の男は、本来大半が聖賢になることができるのだが、残念なことにみな女のために失敗する」と嘆いています。後の時代の毛沢東とその妻の江青女史(文化大革命の首謀者として中国を大混乱に陥れた人物)との関係を見通しているかのような言葉です。
 家庭裁判所のベテラン調停員が次のように語っています。
「実際の不倫も確かに多いが、未成熟な夫婦のためにお互いの猜疑心が仲を裂く場合も多いのです。私の好きな落語に例えれば、恋人同士の恋愛は大学の落ち研レベルであり、夫婦の愛情はプロの真打の芸です。芸を育てる責任と同様にプロ並の夫婦の絆を育てる気迫に欠けています」と。


『人間学読書会』で名句名言を学んでみませんか?
  人間学読書会についてはこちら
copyright o-hara