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名言紹介


【名句163】三国志より
自ら枉屈し、臣を草廬のうちに三顧す。
【意】 自ら(劉備が)へりくだって来訪して、私(諸葛亮孔明)をあばら屋に3度も訪ねてくれた。
【解】  枉屈とは身を屈して訪問すること、草廬とは自分の住居のこと、顧とは気にかけることです。「三顧の礼」の語源となった句で、劉備が47才の時、27才の孔明を軍師に迎えた際の応対の仕方を述べたものです。
 劉備の応待に感激した孔明は、誠実な臣下の礼を尽くすと共に縦横無尽にその才能を発揮し劉備のために戦いました。そしてその誠実さは劉備亡き後も続き、この掲句は孔明が魏討伐の出陣の折、新帝劉禅に残した上奏文「出師の表」の一節に載せられています。
 史記には「一沐に三たび髪を握り、一飯に三たび哺を吐く」とあります。賢人採用に意を注いだ周公旦は、洗髪(沐)や食事(飯)の最中であっても、その都度中断して人と面談したといいます。古来「類は友を呼ぶ」(俗諺)といいますが、劉備であれ周公旦であれ、人を大切に思うことのできるトップには、それ相応の人物が集まるものです。
 孔明との親密さを著す劉備の言葉に「弧(我)の孔明あるは、魚の水のあるが如きなり」とあります。


【名句164】正法眼蔵随聞記 より
坐するに必ず儀あり、立するに必ず礼あり、常に貴き賓客に向えるが如し。
【意】 日常の立ち振舞いにも礼儀作法がある。常に大切な客人の前でするように心掛けるべきである。
【解】  剣・禅・書の達人山岡鉄舟が、男女間の習気を除くために、吉原で色情修行をしたのは有名なことです。習気とは、過去の低俗な習性が滲み出ることです。醤油樽を洗っても洗ってもなお醤油の匂いが取れないようなものです。
 若い頃の経験ですが、新幹線で捨て置かれた週刊誌を何気なく読みました。女性のヌード写真などが載っていると、知らず知らずに男の習気が出て一生懸命になります。そういう時ほど、当学園の卒業生に出くわします。教育者として聖人君子を装って生意気なことを言っていたので、余計に始末が悪いものです。
 論語に「礼の用は和を貴しと為す」とありますが、礼儀の効用は組織の気持ちを一つにして和することだといいます。日頃の立ち居振舞いがお互いの信頼関係にも影響します。
 昔から礼儀正しい人間が多い職場は発展するといわれます。上司は部下の立派な振舞いをみて信頼するから、仕事を安心して任せられます。無礼な部下ではそうはいきません。もし自己評価が低いならば、上司に対する礼儀作法を再点検してみることです。必ず評価が上がるはずです。


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