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【名句177】論語より | |
【意】 | 言葉が巧みでこびへつらう顔付きの者は、思いやりのない人間である。 |
【解】 |
事件を何回も起こした2人の詐欺の名人と、生い立ちから事件の経過までをゆっくりと話し合ったことがあります。何れもが頭の回転も人当たりも良く、明朗で言葉も巧みで友達にしたいような人物です。どうして詐欺師になってしまうのかというと、人の世話が好きで相手に拒否的な発言ができず、後々の責任を考えないでその場しのぎの約束をしてしまったというのです。約束した時点では、当人達も詐欺をするなどと少しも思っていません。自分で自分をだます処が名人たる所以ですが、結果として約束不履行と訴えられて詐欺事件に発展するのです。 また詐欺師の特徴は、自分の起こした過去の事件に対して責任感や嫌悪感が微塵もないことです。楽天主義の権化のような人々ですから再び事件を繰り返してしまいます。 横領と違い詐欺は被害者にも三分の責任といいます。「欲心は其極る事を知らず」とありますが、有りそうもない話に乗り騙される側も悪いから、詐欺師ばかりを責められないのです。 |
【名句178】宋名臣言行録 より | |
【意】 | お前は百姓でありながら、自ら種を植えて食べることをしない。(商品価値の高い物だけを作り、自分の食物は市場で買い求めている)なんという怠惰な奴だ。 |
【解】 |
「損得資本主義社会」では、経済が発達するほど物事が金という統一尺度により評価されます。それ故に損得勘定が行動を起こす基準になったり、貧乏人より金持ちが偉いような風潮が世間を支配するようになります。
世の中には金に換算できないものも意外に多く、高度経済社会では、これらのものがいつの間にか評価されなくなるという落とし穴もあります。 尊敬している人に衛生社の社長がいます。彼は次のように叫ぶのです。「世間ではゴミ袋を出した途端に清掃が終わったと勘違いをする。きれいにトイレを使うことだけで紳士淑女面をする。衛生社の社員が匂いや汚さと戦いながら最後の処理をするから、地球は糞尿から守られている」と。 自分の仕事の中に社会貢献性を見付けると、損得に振り回されないで仕事ができます。世間に対して役に立っているという自信が、仕事への情熱を生むからです。 |
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