100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句181】言志四録より
百年、再生の我無し。それ曠度すべけんや。
【意】 百年の後に自分が再び人間として生まれる保証はない。よって余命の日々を空しく過ごしてはならない。
【解】  人生の分かれ道、誰もが助言や金言に支えられて誤りの無い人生を歩みます。20歳の時、銀行勤務に見切りを付けて大学進学を夢見ました。兄に相談すると「資本主義社会の中心の仕事だから、もう少し我慢して銀行を大学の代わりにして勉強したら」との助言がかえってきました。嫌々仕事をするのと二度と無いチャンスと向学心に燃えて仕事をするのとでは雲泥の差です。その後の3年余は、積極的に仕事ができ自分も大いに成長しました。兄からの助言のお陰でした。
 誰もが1回限りの人生であることを頭では理解します。理解することと余命の消滅していく日々を大切に生きることとは違います。修証義というお経には「人身を得ること難し。露命を無常の風に任することなかれ。命は光陰に移されて暫くも停め難し、紅顔いずくへか去りにし・・」とあります。
 どうか若い方々は、学生時代の限られた期間や短い夏休みを人生に置き換えて考えてみて下さい。人生の1回性が自覚できれば、必ず一段上の人生を歩むことができます。


【名句182】言志四録 より
学は自得するを貴ぶ。
【意】 学問をするには、(他から教えられるより)自ら習得しようとする気持ちが大切である。
【解】  面壁九年で有名な達磨大師が、禅宗の始祖です。禅宗は『不立文字』を旨とし、仏道の真髄を文字や言葉を使わず以心伝心で伝えます。この方法は弟子が師匠の心境に達しなければ無理ですから、弟子の『自得意識』に委ねられます。それ故に各時代の師匠は弟子を厳しく指導しました。それでも大師の没した五世紀末以来、多くの宗派が起こりましたが弟子が継承できず大半は消滅しています。この歴史的事実を見ると、受け取る側の『自得意識』の重要さが解ります。
 教育においても、伝達方法の工夫以上に学ぶ側の自得意識の向上が大切です。「人を教うる者、その志を責むべし」の言葉もあるように、この意識を高めるには「何のために学ぶか」を繰り返し問い掛けることです。当学園での教育のスローガンとして「今、何のために、何をするのか」を学生達に問い掛けています。先生方の繰り返しの努力のお陰で、少しづつではありますが『自得意識』が芽生えてきたように感じます。本当に有難いことです。


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