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【名句187】言志四録より | |
【意】 | 自分の身体は天から授かった物(自然界の命)である。よって命に関する与奪の権利も天にある。 |
【解】 |
現代思想の主流となっている西洋思想は、科学的な分析を基礎に自然を支配開発する『自然制御の思想』です。これに対して伝統的な東洋思想は、天地自然と融合し生き方を学ぼうとする『自然融合の思想』です。 損得資本主義社会と西洋思想が結び付いた現代文明は、自然を犠牲にして豊かな物質文明を実現しました。しかし心の制御が弱いこの文明は欲望の上に欲望を生み、人間中心の奢りの社会を招来し地球船を危うくしています。21世紀こそ人類の財産である東西の両思想を結合し、心の豊かさと物の豊かさが両立する新しい生活社会『道徳資本主義社会』を構築する時でしょう。その第一歩は、人間中心の奢りを反省し、天与の我が命を認識することから始まります。 「各人八十年の生死流れて、 人類百万年の大河となる。 我まさに天下の一微粒子、 天与える一回限りの生命。」(巌海) |
【名句188】言志四録 より | |
【意】 | 学問をする者は、学徳が年齢とともに深まり、学業も年を経るごとに広がるべきである。 |
【解】 |
学徳の深まりとは、学問により自分の人間的豊かさを育てることです。学業の広がりとは、学問により学んだ知識技量を世のため人のために活用することです。 名古屋大原学園では「トライアングル教育」という独自の教育システムを開発し実行に移しています。これは、専門学校として資格取得教育や公務員教育があるレベルまで達したので、更に一歩高い理想を掲げて社会に役立つ学生を育成しようとするものです。 このスローガンは『今、何のために、何をするか』です。今とは、学生時代が限りある人生のうちの貴重な数年間であることの認識です。何のためとは、人間は一人で生きているのではなく、生かしてくれる世間に感謝し、就職をし仕事を通してお返しするためです。何をするかとは、お返しができるように充分な勉強で就職能力を高めることです。教育とは、自分の立場を理解させ、今、何のために、何をなすべきかを気付かせることなのです。 |
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