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【名句227】菜根譚 より | |
【意】 | 和気藹々として温かい心情の人は、その受ける幸福も大きく、その恩択(恵み)も持続する。 |
【解】 |
掲句の前に「天地の気暖かなれば即ち生じ、寒ければ即ち殺す」とあります。天地自然の摂理においても、春のような温暖な気候は万物を生育しますが、冬のような寒冷な気候は万物を枯死させます。人間一匹も天地自然の一微粒子ですから、体ばかりでなく心も温かに保つことが、永続する幸せを生み出すコツとなります。 天地自然の大きな領域でも、人間一匹の小さな領域でも「温暖生育論・温情幸福論」が成り立つならば、両領域の中間に位置する人間集団の領域でも同様の生育論・幸福論が成り立つはずです。 5人の家族・30人のクラスや職場等の組織において、お互いの形成者が温情豊かな気持ちで生活すれば、これらの集団の組織品性は徐々に改善され、形成者各人の幸せも大きくなります。この考えこそ「100万人の心の緑化作戦」の基本になるものです。そのためにも一人ひとりが心の緑化運動の苗木になることを自覚し、このような集団を創るために先頭に立って頂きたいと思います。 |
【名句228】菜根譚 より | |
【意】 | 自分の周りにいる人々の悪口(失徳過挙)をいうより、古人の名言や善行を研究し話し合う方がよい。 |
【解】 |
論語に「行いて余力有らば、文を学ぶ」とあります。人間として実践すべきことをしたうえで、余裕があれば書物を学ぶべきだという意味です。 読書を好まない人々が想像する以上に、読書は多くの財産を人々に与えます。その財産は読者が希望する都度、しかも安価に繰り返し与えられます。人生の成功者は、読書金脈を掘り当てたからこそ、高い地位と豊かな財産を築いたケースが多いものです。目敏い現代人が、この身近な金脈に気付かないで人生の不遇を嘆くのはおかしな現象といえます。 「書を読めば、万倍の利あり」(王安石) 「男児須く読むべし、五車の書」(杜甫) 読書を自分のためだけと限定すると読書力も小さくなります。先人の名言や思想をできるだけ多く深く学んで、後世の人々に伝承する役目を与えられたような気持ちで読書をすると桁違いに大きなエネルギーを伴った読書となり、その成果も桁違いとなります。 「人類を代表するくらいの迫力で読書に取組む」(巌海) |
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