100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句237】菜根譚 より
貞子は福を徼むるの心無し、天即ち無心の処に就いてその衷を開く。
【意】 節操を守る者に幸福を求める心はない。けれども天の神様がこの無心さに惹かれて、その幸福の心を開く。
【解】  貞節の士(貞士)は節操ある振舞いをするから、その行動に品性があります。浮浪の士は気侭な振舞いを好むから、逆にその行動に一貫性がなく落ち着きがありません。
 先日、高校の同級生十数人と三十数年振りに会ってゴルフをしました。その時ゴルフの品性が話題になりました。下手な者ほど漫然とした期待感を持ち、自分の実力を省みずに一発逆転を狙って失敗します。そして失敗すればするほどあたふたしたプレーになります。上手な者はまず服装に品性があり無駄口も少ないものです。そしてプレー態度にも余裕があり、失敗しても腐った態度を取らないという結論に達しました。
 ゴルフの品性から離れて改めて同級生を観察してみました。三十数年間の日々の生き様が各人の顔に彫り込まれているようでした。高校時代からの正義感を生かし警察官僚として立派な仕事をしている者、バイタリティーをもって自分の会社を優良企業に育てた者、温厚な人柄そのままで外資企業の要職にある者など・・。そこには人生を必死に歩んできた連中の充実した逞しい顔がありました。


【名句238】三国志 より
衆の附かざるは、仁の足らざるなり。附きて治まらざるは、義の足らざるなり。
【意】 君主が領民臣下から愛されないのは、君主に仁徳が欠けているからである。愛されても時として謀反を起されるのは、君主に正義が欠けているからである。
【解】  君主の仁徳とは「社員を思いやる優しさ」です。歴史上の大事業を成し遂げた大君主であっても、過酷な治世により国を滅ぼしています。領民に支えられての君主ですから、君主は仁徳を身に付けなくてはなりません。
 君主の正義とは、自身に対しては「高潔なる生き方」ですが、国民に対しては「公平感のある治世」です。君主が質素倹約を心掛けて領民のお手本になること、全ての領民を公平に扱うことが重要です。
 では現代の君主(組織責任者)になった場合には、何処に着目すべきでしょうか。「威は宜しく厳よりして、寛なるべし」(後漢書)とあります。組織のスタート時にはある程度の厳格さが必要です。一旦確立すればある程度の緩和をしてもいいが、厳寛の順序が逆になると部下から文句が出ます。
 更に意外な盲点は、組織安定後の責任者のマンネリ化でしょう。地位に相応しい人物器量が大切ですが、地位に慣れると精進が不足し堕落するケースが多いものです。


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