100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句263】論語 より
君子固より窮す。小人窮すれば濫す。
【意】 立派な人物でも同じ様に困窮する。人物のできていない人は、更に困窮後に慌てふためいて自分を見失う。
【解】  感情には喜びがある一方で、逆の苦しみもあります。喜びのあまり有頂天になり過ぎる人がいるように、苦しみも自ら恐怖感を増幅してより大きな苦痛に育て上げる人がいます。
 武士から僧侶になった変わり種の人物に鈴木正三がいます。この人の著書『盲安杖』には「心を亡ぼして心を育てよ。明々たる心を朦朦たる心におほはれて苦しむことなかれ」とあります。人の心には明暗二心がありますが、どちらも心の主人公である自分が育てるものですから、明るい方を育てよといいます。簡単明瞭な教えです。
 日常生活が充実すると顔付きが変わります。社団法人実践倫理宏正会という修養団体があります。会員の方々は毎朝5時から6時まで朝起き会という集会を開きます。宗教団体ではないので会場として時々学園の校舎を提供しましたが、参加者の顔は実にはつらつとしています。毎朝のスタートが如何に大切かが解かります。誰もが自由に参加できるので、一度は体験してみる価値があります。


【名句264】論語 より
君子は本を務む。本立って道生ず。
【意】 立派な人は根本を大切にする。根本ができれば全ての道を可能にする。
【解】  高校のハンドボールの監督として、全国制覇19回を成し遂げた谷口俊春氏にお会いしました。一万余日の連続練習を重ねたそうです。とても頑固な方です。
 お話の中で「練習後の整理体操をしっかりするとチームは強くなる」と語られました。練習後の体操とは、掲句でいうところの根本です。頑固な性格の先生が部員を強制的に遮二無二引っ張ってこられたのではありません。部としての根本を育ててこられたからこそ、連続練習日が積み重なったのです。
 実はお話を聞いた時にはなるほどと思う程度でした。しかし、一週間後に話の余韻が大きくなりました。話の余韻は時の経過により消滅するのが普通ですが、逆に余韻を増殖させる話ができる人がいます。菌が増殖するように聞かされた方の感動がしばらくする間に増殖されます。本当の教育者などはこのような力を持っています。谷口氏もその一人です。


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