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【名句313】言志四録 より | |
【意】 | 聖人賢人の生き方を講義するだけで生活に活かせない人を口頭の聖賢という。人の道を紙上で論述するだけで生活に活かさない人の学問を紙上の道学という
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【解】 | 人間学は『一回限りの人生を如何に生きるべきか』を学ぶものですから、学んだ者を幸せにする学問です。論語に「古の学者は己の為にし、今の学者は人の為にす」とあります。学問の第一義は自分の修養の為であり、世間の人々に知られたい為にするものではないと教えています。 人間学を単なる知識学問と同じに捉えてはいけません。ここで『人間学読書会』における読書法を確認しましょう。第一に読み手の日常生活の整備です。朝早く元気よく起きて心身を充実し、自分の状況を整えます。第二に書物の内容を血肉化する工夫です。①言葉の意味を考えながら読みます。②筆ペンで和紙に清書し、日付と氏名を書きます。③何度となく読み上げ暗誦します。④意識して日常の行動に取り入れます。⑤そして、人生の非常時に当たってこの言葉の一灯を信じ乗り切るのです。特に和紙清書を真剣に行うことがポイントで、500枚に到達する頃には、必ず何かの変化を感じるはずです。 |
【名句314】言志四録 より | |
【意】 | 文章を作るには、文意を練って書き下ろし一字も粗末にしてはならない。 |
【解】 |
文章に関して自分の経験を述べてみます。 本格的な文章に出会ったのは23才のとき、税理士試験の税法の勉強です。税法の文章は「明定主義の原則」に基づいて、誰が読んでも1円の税金の違いも出ないように明確に書かれています。若くして構文のしっかりした文章に出会えたことは、後の文章を書くうえで幸運でした。 30才半ばからは、常時はがきを用意し、お会いした方々に礼状を書きました。下書きなしで間違っても訂正したままで出しました。次第に間違いが無くなり、その後巻紙に変わりましたが、巻紙一本程度は下書きなしで書けるようになりました。 40才前半から『人間学読書会』の原稿を2~3か月に十句ずつ書きました。書く前の読書や文献調査に30時間、原稿を書くには校正も含めて更に30時間を要します。 経験から言えば、文章を書くコツは「書く前の読書と文章推敲の粘り」です。 |
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