100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句331】論語 より
士は弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。
【意】 社会貢献の道を歩む士たる者は、度量が大きく意志が強くなければならない。更にその任務は重く、成就の道ははるかに遠いという覚悟が必要である 。
【解】  士たる者の役目を現代資本主義社会では誰が担うべきでしょうか。個人の責任はもとより企業法人の責任は殊の外重いものです。
 経済とは「経世済民」を語源とし、民を幸せにすることです。20世紀の資本主義社会は、物の生産を向上させ、一部の先進国の国民を確実に豊かにしました。しかし、損得と効率を優先するこの経済は、生産者にはコストの削減のために、より大きな設備拡大に走らせ、一方消費者には次々と新製品を提供し、麻薬的な消費欲望を駆り立てました。その結果、大量の生産と消費が地球を汚染したのです。
 これからの経営は、経世済民や地球環境を意識した道徳資本主義経営でなければなりません。企業間の道徳責任を相互に確認したうえで経済取引をすれば、反社会的な商行為は減少し、経済が盛んになるほど社会が良くなるはずです。今後議論を重ねる必要がありますが、地球宇宙船の乗客として個人も企業もより高い経営品位が要求される時代です。
 

【名句332】論語 より
内に省みて疾しからずんば、それ何をか憂え、何をか懼れん。
【意】 やましい点がなければ、心配し恐れることもない。
【解】  一時の誘惑に負けて男女の道を外し、目先の金銭に惑わされて法を逸脱することがあります。浮気や収賄をする本人達は、絶対に露見しないという自信があるからことを行なうのでしょう。しかし、結果はことごとく露見するのはなぜでしょうか。
 江戸時代のある大物泥棒は、「岡引に逢っても平然とし快感を味わうようでなければ、この仕事は勤まらねえ」と豪語したといいます。しかし、凡人は後ろめたさがあると、露見を恐れて気持ちに動揺をきたします。そして隠そうとすればするほど墓穴を掘る羽目になるのです。
 また後漢時代の役人楊震は、密かに賄賂を贈ろうとした者に対して「天知る。神知る。我知る。子知る。何ぞ知ること無しと言うや」と言いました。天が知り、神が知り、私が知り、君が知るのに、どうして知る者がいないと言えるのかと諭したのです。これを「楊震の四知の戒め」といいます。
 ベテラン刑事によれば、接待や贈賄をする側も好ましくないが、される側にもその匂いを醸し出す下品さがあるといいます。「慎独生活」が甘くなると、この匂いが強くなります。


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