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【名句078】貞観政要より | |
【意】 | 創業の時とその後の守りの時ではどちらが困難か。 |
【解】 |
この帝太宗の問いに対して、創業以前からの旧臣房玄齢が「群雄割拠の争乱を勝ち抜いての天下統一ですから、創業の時です」と答えました。 続いて創業後の家臣魏徴が答えます。「新王朝誕生の時は、前代からの争乱が平定され、領民は新帝に期待をし命令も行き渡ります。しかし天下の権を手中に収められた後は必ず我がままが生じ、領民に過度な賦役を課し、これが国の衰退の原因となります。だから守成の時です」と。 両者の意見に対して太宗は、「玄齢は時には九死に一生を得ながら私に従い天下を平定したから、創業とするのも最もなことである。また魏徴は油断すれば必ず滅亡すると心配しながら、私と一緒に国の安定を心掛けてくれたから、守成とするのであろう」と述べました。 更に続けて「今、草創の難きは既に往けり。守成の難きは、まさに公等とこれを慎まんことを思うべし」と。臣下に感謝し、現状を断定し、そして今後の方針への協力を請うと、見事な采配に臣下も張り切らなくてはいられなくなるのです。 |
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