100万人の心の緑化作戦
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名言紹介


【名句077】論語より
益者三友、損者三友。
【意】 見習うべき有益な友が三人いれば、見習ってはならない有害な友も三人いる。仲間には様々な友がいる。
【解】  有益三者の友は、直・諒・多聞の人です。直は正直な人、諒は誠実な人、多聞は博学な人のことです。有害三者の友は、便辟・善柔・便佞の人です。便辟は何事も都合よく避けてしまう人、善柔は意志が軟弱な人、便佞は言葉が巧みな人のことです。
 人は損得だけで友人を作るのではありません。生きていく過程で自分も時には間違いもするし、親友も時には気に喰わない奴に感じます。掲句の教えは、様々な人間と清濁合わせた交友を保てと解釈します。
 かといってへりくだりの気持ちで交友を広げることはありません。縁がなければ孤高を保ち、独り孤独を味わう勇気を持ちたいものです。福沢諭吉の言葉に「他人は他人、我は我の気概を持つべきなり」とありますが、お互いに真の独立心がないと本当の交友関係は生まれません。与謝野鉄幹の人を恋うる歌に「友を選ばば書を読みて、六分の侠気四分の熱・・」とあります。侠気とは正義感に富んだ男気のことです。


【名句078】貞観政要より
草創と守成と何れが難きや。
【意】 創業の時とその後の守りの時ではどちらが困難か。
【解】  この帝太宗の問いに対して、創業以前からの旧臣房玄齢が「群雄割拠の争乱を勝ち抜いての天下統一ですから、創業の時です」と答えました。
 続いて創業後の家臣魏徴が答えます。「新王朝誕生の時は、前代からの争乱が平定され、領民は新帝に期待をし命令も行き渡ります。しかし天下の権を手中に収められた後は必ず我がままが生じ、領民に過度な賦役を課し、これが国の衰退の原因となります。だから守成の時です」と。
 両者の意見に対して太宗は、「玄齢は時には九死に一生を得ながら私に従い天下を平定したから、創業とするのも最もなことである。また魏徴は油断すれば必ず滅亡すると心配しながら、私と一緒に国の安定を心掛けてくれたから、守成とするのであろう」と述べました。
 更に続けて「今、草創の難きは既に往けり。守成の難きは、まさに公等とこれを慎まんことを思うべし」と。臣下に感謝し、現状を断定し、そして今後の方針への協力を請うと、見事な采配に臣下も張り切らなくてはいられなくなるのです。


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