公認会計士を「やめとけ」と言われる理由とは?不安の正体と向き合い方を解説
#公認会計士
「公認会計士は難しい資格」と聞いたことがあっても、実際にどの程度の難易度なのか、具体的にイメージできているでしょうか。
合格率が低いという情報だけを見ると、自分には無理なのではと感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、公認会計士試験の難しさは、単純に問題が難解だからという理由だけではありません。
試験制度や学習の進め方そのものに特徴があり、それを理解することで難易度の正体が見えてきます。
この記事では、合格率データをもとに難易度を整理しながら、「なぜ難しいと言われるのか」を試験の構造から解説します。
読み終えたときに、難しさへの不安が「どう向き合えばよいか」という理解へ変わることを目指しましょう。
目次

公認会計士試験について調べ始めると、まず目に入るのが「合格率の低さ」です。
数字だけを見ると、非常に難しい資格という印象を受けるかもしれません。
しかし、本当に知っておきたいのは「どれくらい難しいのか」だけではなく、
「なぜ難しいと言われるのか」という点です。
ここでは感覚的なイメージではなく、公的データをもとに難易度を整理しながら、公認会計士試験がどのような位置づけの資格なのかを客観的に見ていきます。
公認会計士試験は、「短答式試験」と「論文式試験」の二段階で実施されます。短答式に合格した人だけが論文式へ進める仕組みです。
合格率は毎年およそ7〜10%台で推移しており、国家資格の中でもトップクラスの難易度と言われています。
では、公認会計士のように「難関資格」と言われる国家資格と比べてみましょう。
| 司法書士 | 5.2%(令和7年度) | 合格が極めて低い選抜型 |
| 公認会計士 | 7.4%(令和7年度) | 広範囲+長期学習の総合型 |
| 弁護士 | 41.2%(令和7年度) | 事前教育+専門訓練型 |
| 税理士 | 科目ごとに10〜30%台で推移(令和7年度) | 科目積み上げ型 |
出典:法務省 令和7年度司法書士試験の最終結果について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00729.html
出典:公認会計士・監査審査会 令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r7shiken/ronbungoukaku_r07/01.pdf
最終合格率とは:短答式と論文式の2段階試験で、最終的に合格した割合
出典:法務省 令和7年司法試験の結果について
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00265.html
出典:国税庁 令和7年度(第75回)税理士試験結果表
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikenkekka/75/pdf/0025011-071-15.pdf
一見すると、弁護士の合格率は高く見えます。
しかし司法試験は、法科大学院修了者や予備試験合格者など、一定の学習を終えた人のみが受験できる試験です。
そのため、単純に合格率の数字だけで難易度を比較することはできません。
こうして見ると、公認会計士試験は誰でも受験できる国家資格の中で合格率が一桁台にとどまっており、長期的な学習と総合的な理解が求められる難関資格であることが分かります。
公認会計士試験の特徴は、合格率が極端に上下しない点にもあります。
年度ごとに多少の変動はあるものの、長期的にはほぼ一定の範囲で推移しています。
これは、単純に合格者数を調整する試験というよりも、一定の能力水準に達した受験者が合格できるよう設計されているため、結果として合格率が大きく変動しにくい傾向があるからです。
| 年別 | 合格率 |
| 令和7年 | 7.4% |
| 令和6年 | 7.4% |
| 令和5年 | 7.6% |
| 令和4年 | 7.7% |
| 令和3年 | 9.6% |
| 令和2年 | 10.1% |
| 令和元年 | 10.7% |
出典:令和6年公認会計士試験 合格者調 加工して使用
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r6shiken/ronbungoukaku_r06/03.pdf
出典:公認会計士・監査審査会 令和7年公認会計士試験の合格発表の概要について
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r7shiken/ronbungoukaku_r07/01.pdf
この推移から分かるのは、年度によって急に合格しやすくなる試験ではないという点。
言い換えれば、短期間の対策や試験運だけで突破できる資格ではなく、安定した実力形成が求められる試験だといえるでしょう。
ここまで読むと、
「難関なのは分かった。でも、なぜそこまで難しいのだろう」
と感じるかもしれません。
その理由は、試験問題そのものよりも“試験の仕組み”にあります。

合格率の数字だけでは、公認会計士試験の本当の難しさは見えてきません。
実際に受験した人の多くが壁を感じるのは、問題の難易度そのものよりも、試験制度や学習の進め方に独特の特徴があるためです。
ここでは試験の特徴を一つずつ整理して
「なぜ難しいと感じる人が多いのか」を構造的に理解していきます。
試験科目は会計学だけに限られていません。
| ◆試験科目
試験科目は短答式と論文式で構成が分かれています。
【短答式】 ・財務会計論 ・管理会計論 ・監査論 ・企業法
【論文式】 ・会計学 ・監査論 ・企業法 ・租税法 ・選択科目 (※経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目を選択) |
出典:金融庁 令和8年公認会計⼠試験受験案内
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/r8shiken/seikyu01/r8-1jukenannai.pdf
これらの科目では、企業のお金の流れを理解するだけでなく、法律の考え方や経営の視点まで幅広く学ぶ必要があります。
特徴的なのは、単なる暗記では対応できない点。
知識を個別に覚えるだけではなく、それぞれを結びつけて理解し、状況に応じて使い分ける力が求められます。
「覚える量が多い」のではなく、「理解してつなげる範囲が広い」ことが難易度を高めています。
短答式は知識の正確性を測る試験ですが、論文式では記述力や応用力が問われます。
つまり、
①短答式:知識を正しく覚えているか
②論文式:理解した内容を説明できるか
という異なる能力が必要になります。
学習方法も途中で切り替える必要があり、同じ勉強を続けるだけでは対応できません。
この「勉強のやり方を途中で変えなければならない点」が、多くの受験者にとって大きな壁になります。
論文式試験は年1回しか実施されません。
準備が間に合わなければ、次のチャンスまで一年待つことになります。
そのため、以下のような長期的自己管理がポイントに。
・学習ペース管理
・モチベーション維持
・科目ごとの進行調整
学力だけでなく、「継続できる仕組み」を持てるかどうかが結果に大きく影響します。
公認会計士試験が難しい最大の理由は、学習量そのものよりも全体設計を自分で行う必要があることにあります。
例えば、
・どの科目から始めるか
・学習時間の配分
・短答式対策と論文対策の切替
・試験までのスケジュール管理
これらをすべて個人で判断し続ける必要があります。
つまり求められるのは能力だけではなく、「合格までの道筋を設計する力」です。
そしてこの段階で、多くの人が「どのような環境で学ぶか」が結果に大きく関わることに気づき始めます。

ここまで見てきたように、公認会計士試験の難易度は単純な問題の難しさでは説明できません。合格率の低さの背景には、広範な試験範囲、二段階試験、長期的な学習設計といった構造的な要因があります。
だからこそ重要なのは、「自分に向いているか」を早く判断することではなく、どのような環境で学ぶかを考えること。
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合格までの道筋を一人で考えるのが難しいと感じたとき、学習環境を知ることが最初の一歩になります。
まずは資料を見ながら、どのような学び方があるのかを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
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